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先日行われた、FIFAクラブワールドカップ2006の3位決定戦、決勝戦を観戦した。

3位決定戦は北中米カリブ代表のクラブアメリカ(メキシコ)VSアフリカ代表のアルアハリ(エジプト)。

決勝戦はヨーロッパ代表のFCバルセロナ(スペイン)VS南米代表のインテルナシオナル(ブラジル)。

決勝戦に先立って夕方から行われていた3位決定戦を前半半ばから観戦。

すでに2試合をこなし、短期決戦で体力的にキツイうえに前の試合を落としているので、モチベーション的に上がらない試合ではあっただろうが、エジプトのアルアハリは非常に頑張っていた。

クラブアメリカはバルセロナに敗れた試合同様、全体に運動量が少なく、チームとしての連動性が皆無で、行き当たりばったりな個人の閃きに頼った試合運び。

対するアルアハリは、アラブ・アフリカ人特有の身体能力はあるものの、個人技ではクラブアメリカよりも低いくらい。

しかし、チームとしての連動性や長短織り交ぜたすばやいパスワークで、ヨーロッパスタイルのフットボールを体現していたので、2-1での勝利(第3位獲得)という結果は非常に妥当なモノだったと思う。




で、決勝戦。

両チームの選手がウォーミングアップでピッチに登場するだけで拍手の渦。会場大型モニターにはずっとバルサの選手が映され続ける。

ひとしきりメニューをこなした後で、ロナウジーニョだけが残って少しだけシュート練習をしていたが、これが見事なまでに入らない。

このシーンを見た瞬間、「今日はバルサは苦戦するな」と確信した。




途中ケミストリーの場違いでTV的で痛々しいショーを挟んで、いよいよ開始。

案の定、バルサは序盤からスローペース。

前回のクラブアメリカ戦での相手の不出来による快勝で、明らかに自分のペースを失っている感じ。

サイドに張ったジュリ、ロナウジーニョにはしっかりとマークが付いていて、ボールは持たせても決定的な仕事はさせない。

また、デコやイニエスタは非常に上手いけど、仕事をする位置が低すぎて、インテルの厳しいプレスをかわすので精一杯という感じ。

中央のグジョンセンが全くチームにフィットしていなくて、なかなか味方からボールを引き出せない。

前半は、時折見せる個人での打開以外に特に見せ場はなかった。




後半に入ると、出来の悪いモッタではなく、交代の必要がないと思われたザンブロッタがベレッチに交代。帰ってから知ったんだけど、ザンブロッタは前半終了間際にケガをしていたらしい。

これが予定を更に狂わせるコトになるのだろうが、当然この交代は全く効果を発揮しなかった。

インテルのプレスは、バルサの不調と高いモチベーションに支えられて、なかなか落ちない。

逆にバルサは、なかなか得点できない状況にフラストレーションもたまり、状況打破のためか、それとも焦りからか、DFもラインを徐々に高くしていく。

その瞬間、インテルの鋭いカウンターで失点。

しかも後半残り10分弱という、非常に嫌な時間だった。

決めたのは、3人目の交代で入ってきたアドリアーノ。インテル・ブラガ監督の采配がドンピシャだった。

バルサは焦りながらもチャンスを作り、終了間際にロナウジーニョの強引な突破からゴール前の絶好のポジションでFKを得る。

キッカーは当然のようにロナウジーニョ。

壁を越えたボールにGKは反応できずに見送るだけだったが、ボールは枠を僅かに外れていった。

最後は、インテルの見事なまでの時間稼ぎにバルサは何もさせてもらえず、そのままタイムアップ。

優勝は去年に引き続き、またしても南米、そしてブラジルのチームだった。




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それにしても、ブラジルっていうのは恐ろしい国だ。

インテルナシオナルには、元代表や将来の代表候補はいるものの、ヨーロッパの有力リーグに買われて行ったような選手はいない。

クラブ自体もヨーロッパや日本のJリーグほどの金銭的余裕もないくらいのハズ。

それにも関わらず、個人の技術や戦術眼、チームとしてのレベルは、欧州王者に引けを取らないどころか、1回の勝負なら勝ってしまう。

もちろん、チャレンジャー精神によるメンタル面の有利さは大きいだろうけど、サッカーっていうモノが心底身に付いているというか、染み付いているんだなぁ…と痛感した。




来年、日本のチーム(浦和あたり)が、このレベルで試合できるとは到底思えないけど、頑張ってもらいたいものだ。

この決勝の会場が熱狂する光景は、さぞ壮観だろう。