Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom

061108001.jpg

さて、2日目はホテルで朝食をとった後、引き続き奈良観光。

ホテルをチェックアウトした後送迎バスで近鉄奈良駅へ送ってもらい、パックに付いていた「正倉院展」のチケットを持って、奈良国立博物館へ歩く。

正倉院展はこの旅行の目的ではなかったんだけど、たまたま今の時期に行われていたうえにパックツアーの特典で無料チケットが付いていたので、無理矢理組み込んだ。

奈良国立博物館は鹿で有名な奈良公園の中にあって、近鉄奈良駅からだと徒歩で10分ほど。

で、到着してみると…

061108002.jpg

こんな感じ。

写真じゃちょっと分かりづらいけど、とにかくヒト、ヒト、ヒト…でおそらく1000人近い人数が列をしてたので、その画を見て入場を断念し、そそくさと東大寺観光へ針路変更。




東大寺は、その奈良国立博物館から歩いてすぐ。ココも学生時代に来たコトがあるのに、周辺に関しては全くといっていいほど記憶になかった。やっぱ、バスで要所要所だけを回っても、何にもならないってコトだな。

061108003.jpg

まず目に入るのは「南大門」。圧倒的な大きさを誇る木造建築には、やはり相当魅入らされる。

061108004.jpg

中に構える阿形・吽形の仁王像は、保護用の金網に包まれているために若干動物園的ではあるものの、やはり迫力が違う。以前上野の近代美術館で見た仏像で、「運慶」の圧倒的な造形力を目にしていたので、この像が「運慶」監督のもとに制作されたというのには納得できる。

061108005.jpg

門をくぐるといよいよ大仏殿への入り口。

061108006.jpg

ここからは入場料が必要で、正面の門ではなく左に回って入ると、大仏殿が目に入る。これまたデカイ。

061108007.jpg

で、いよいよ大仏様と数年ぶりの再会。いや、相変わらずデカイです。

しかし、大きいモノを作ろうとする心理は良く分かる。普段接しないような大きいモノには自然と圧倒されるし、人々に対する威厳やカリスマを代理してくれる効果もあったコトだろう。

久々の東大寺を堪能したあと、正倉院展を回避したせいもあってちょっと時間が早かったモノの、次の目的地である「郡山」へ移動することに。




061108008.jpg

JR奈良駅まで行くタクシーで、運転手さんが饒舌に「アレが有名な耐震偽装のサンホテルやで」と指差して教えてくれる。他にも無駄遣いの象徴であるゴミ焼却場など、マイナスな名所を教えてくれた。飾らない奈良人らしさ全開で良かったデスw




061108009.jpg

奈良から電車で一駅の郡山は「金魚」で有名な街。

061108010.jpg

そこら中に生簀があって、中には金魚が半ば自生してる状態。小さい稚魚から、出店の金魚すくいレベルのヤツまで、様々な金魚が泳いでるんだけど、不思議なコトに鳥は金魚を食べないみたい。生簀以外の池には鴨が泳いでいるのに、生簀には一羽の鴨もいなかった。金魚ってマズイのかな?




しばらく歩いて、「郡山金魚資料館」へ。

生簀の中にチョコンとある小さな建物が金魚資料館だったんだけど、ココが意外に面白かった。中に入っても何の出迎えもないし、中の休憩室で地元の中高生が昼飯食ってるし、なんだか自由すぎる。

061108011.jpg

でも、この中の生簀は外のものとは違って、しっかりと種類別に飼育されていて、1匹1万円以上の高級金魚なんかもザラ。小1時間ほど金魚を鑑賞した。




金魚資料館を後にして、せっかく古都奈良に来たんだからというコトで、和菓子を楽しもうとガイドブックに載ってた「本家菊屋」さんを訪れる。

061108012.jpg

「本家菊屋」さんは、創業400年を誇る老舗中の老舗。なんと、豊臣秀吉公にも献上されたという一口餅を店先でいただく。自然な甘みでとても美味しかった。

061108013.jpg

お店の天井と棚の中には、和菓子用の木型が所狭しと並べられていて、歴史の深さを垣間見るコトが出来た。




以上をもって奈良観光は終了。帰りの新幹線の時間まで再び京都を観光。




京都に戻ると、俺のこの旅最大の目的である「広隆寺」を訪れるため、東映映画村で有名な太秦へ。

061108014.jpg

JRの太秦駅から歩くこと5分で「広隆寺」へ到着。最大の目的といいながら全く予備知識がなかったので、その広さにビックリ。

061108015.jpg

なぜココが最大の目的かと言うと、富山旅行でもそうだったように、母方の先祖である「長勢」の姓のルーツではないかと思われる仏師「長勢(ちょうぜい)」の現存する作品が収められているからだ。

仏師「長勢」と「長勢姓」の関係に関しては何一つ立証する素材がないので、単なる思い込みによるモノかもしれないが、「遺された作品を見れば何かを感じるコトが出来るかもしれない」という思いから、ここは是非一度訪れたいと思っていた。

あいにく中は撮影禁止だったので、「長勢」の作品である「十二神将立像」を写真に収めることは出来なかったが、ガラスケースにも収められていない、そのままの像の姿をじっくりと見るコトができたので贅沢は言うまい。

その姿は、後世のデフォルメされた仏像たちとは違い、筋骨隆々としていながらも誇張されていない、非常に人間味に溢れたものだった。これは運慶の作品を見た時にも感じたコトではあったが、「長勢」の作風が俺の好みのモノであったコトは非常に感慨深かった。




広隆寺を後に、目の前を走る路面電車(京福電気鉄道嵐山本線)に乗って四条大宮まで行き、阪急電車に乗り換え、終点の河原町まで。そこから歩いて祇園にある「何必館・京都現代美術館」へ。

「何必館」はユキコの旅の最大の目的だったが、なんと展示変えのために休館中。しかも10日まで。タイミング悪すぎだよ…。

最後の最後でガックリ肩を落としたものの、阪急駅ビルで俵ハンバーグを食べて元気回復。最後に大不評の京都駅でお茶して帰路につきました。




いや、しかしこの2ヶ月で日本、そして自分のルーツを訪ねる旅を満喫。ホントに充実。

友人が外国に旅行に行って、日本の良さ・日本人らしさを実感したと言っていたけど、変な話、俺は国内に居てもそういう感覚を実感した気がする。

東京みたいな「古き良き日本」を捨て去った世界に暮らしてると、何だか殺伐としてて、日本人としてのアイデンティティのかけらも感じるコトがないけど、タマにああいう世界を感じるコトで、そういう感覚を取り戻すコトが出来る気がする。

もちろん、もっと大きな自然や空気みたいな地球的な規模で考えれば、こんなコトは小さなモノかもしれないけど、歴史・文化・血脈みたいなモノを実感するって作業は、やっぱり重要なコトだと思う。

ま、偉そうに何かを悟ったワケでもないけど、素直にそう感じたんだから今日のところはそれで良しとしておこうと思う。