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選挙結果についての個人的な考察。





今回の歴史的自民党大勝劇には正直驚きとともに、失望、そして怒りが入り混じるという複雑な気分にさせられた。

俺の周囲にも、今回の選挙の結果に失望している人間の方が圧倒的に多い。にもかかわらずこの結果というのは、我々のような人間がズレているのか?いや、当然だけどそうは思えない。では、なぜ小泉自民党がこうまでも圧倒的な指示を得たのであろうか。

やはり、単純に「政治がワカラナイ」「興味がない」のにも関わらず、「いまのままでは良くない」「改革すべき」などと漠然と考えている人間が有権者の大多数であり、その大多数の票を得るために「サルにでも分かる選挙争点」を明示した小泉自民党の選挙手法に、弱小野党が全く対抗できなかったのが、大きな原因なのではないだろうか。



小泉内閣の示した郵政民営化法案がザル法案であるのにも関わらず、国民を欺き「郵政民営化=改革」という単純化した図式を刷り込み、あたかも「小泉内閣の示した郵政民営化法案」に反対する人間達を「改革を阻害する保守派」であるかのように仕立てる。

その図式は、「改革阻止派」に古い自民党の中核である亀井氏や綿貫氏はおろか、野党丸ごと含ませることも可能で、まさに一石二鳥。民主党が「郵政民営化反対(小泉内閣法案)」を掲げれば「彼らは改革を阻害する悪者」と言い、「郵政民営化は(小泉内閣法案でない案で)行うべき」と掲げれば「選挙用に主張を翻した」と言う。

詳しい話に興味のない有権者には、小泉の言うことがもっともらしく聞こえたことだろう。たとえ小泉が選挙用に都合の悪いコトには何一つ触れなかったとしても、たとえ民主党のマニフェストに改革に向けて小泉自民党の主張以上に内容の深いモノがあったとしても、詳しい話に興味のない有権者には何も響かなかったのだろう。

歳出削減に関する選挙公約も掲げず、少子化対策・年金対策に関する具体的なプランもなく、サラリーマン増税を行うことを明示し、挙句小泉辞任後の消費税アップまで仄めかしているにも関わらず、国民一人当たり600万円もの借金を背負わされ、これからもドンドン増え続け、借金を返すための借金を繰り返すような事態に現実に追い込まれているにも関わらず、その対策は「郵政民営化を行わないと出来ない」などと公言する人間を信頼する。



今の日本は、言わば自転車操業で倒産間際の会社。「政治に無知・無関心」な国民は、さしずめ給料をもらいながら「何のために働いているのか」を考えようともしない平社員。給料から膨大な額の天引きが行われているコトを知りながら文句を言えずに奴隷のように奉仕。挙句社長が勝手に自分の名義で莫大な借金をして役員にボーナスを配っていることなぞ全く知りもしないし、知ったところで自分には関係ないとすら考えている。自分が借金しているのに。

せっかく巡ってきた「社長をみんなで選ぶチャンス」も、莫大な借金は子供の世代に回し、今の苦しいながらもさしたる不満のない生活に安定を感じ、「会社を立て直す」という口約束を簡単に信じてダメ社長を再選。ダメ社長は相変わらず的外れな仕事しかせず、社員名義の会社の借金は増え続け、いつの間にか社長トンズラ。

残った役員が掲げた策は、「更なる給料カット」だけにとどまらず「会社への寄付の義務化」。社員の生活は困窮し、子供を持つなんてもっての外。新入社員も入らず、企業内代謝も滞って仕事もマンネリ、スピードも効率もダウン。社会の流れについて行けず、仕事も利益も減少の一途を辿る・・・

まぁ、このまま行けば数年で会社は倒産しますわな。ただ、会社なら会社更生法とか何とか、立て直すこともできるでしょう。社員も再就職先でも探せばいい。でもコレはあくまでお国の話。お国は一体どうなるの?国民はどうすればいいの?

日本を捨てて、再就職先でも探すしかないんだろうか・・・先を考えるだけで頭が痛い。この1年で社長の心変わりがないようだと、上の話が現実化して行くんじゃないだろうか・・・