Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom Darkroom

全後半・延長を終えて3-3、PK4-2でリバプール勝利。
なかなか激しい試合だった。

決勝戦っていうのは、選手の多くにいつにない緊張と「負けたくない」というネガティブシンキングが働くせいで、意外と面白くない凡庸な試合になることが多いけど、今年のCL決勝はそういう意味ではなかなか面白い試合になってくれた。

正直前半を観る限りでは、経験の浅い(というか無いに等しい)リバプールに対して、経験豊富なACミランがメンタルな部分で圧倒的な優位を見せ付けた内容だったために、このままの流れが続いて、決勝とは思えないようなスコアになる予感すらあった。

が、ここ最近のミランの「勝手に試合の流れ献上癖」が再発!
これまた最近頻発している「サイドからのアーリークロスに対するペナルティエリア内のチェック不足」で、ここ最近何度も見たようにあっさりとジェラードに簡単なヘディングシュートを許し失点。しかも後半開始早々という、リバプールに最も希望を抱かせる時間帯に。

案の定、一気に自信を増したリバプールと、「トラウマ」で一気に自信を失ったミランでは、どちらが試合の主導権を握るかは明白。普段どおりダイレクトのパスワークが戻ったリバプールの攻撃に対して、ミランの中盤のプレスは次第に無力になり、それに従ってディフェンスラインはジリジリ後退。ペナルティエリアの前にシュートを打つのに十分なスペースを空けて待ち構えている様は、まるで悪いときの日本代表のようだ。

それにしても追い上げる2点目を決めたスミチェルが、キーウェルの怪我というアクシデントで後退した選手だったことにもミランの不運が感じられる。まぁ、すばらしいシュートを許したことに原因があるとしても。

立て続けに得点し、一気呵成にたたみかけるリバプールに対して、ミランは完全に自信喪失し前半は幻だったかのように攻撃はか細いカウンターのみになってしまった。中盤は悪いボールの失い方を繰り返し、そのせいでプレスをかける前にリバプールにボールを運ばれてしまう。ディフェンスラインは受身でズルズル下がるだけで、前への意識がないために簡単な縦パスに対しても無力。ジェラードの飛び出しにも後手を踏んでPK献上。

PKを止めたヂダはホントにスゴかったが、外に弾けなかったのが悔やまれるだろう。ただ、リバプールも追いついたコトで今度は失点を恐れるようなったのと、前半からの過緊張と後半飛ばしすぎたせいでペースダウンし、両チーム選手交代は行ったもののあまり効果的でもなく、後半の後半から延長にいたるまで試合自体は少々緊張感を失ってしまったのが残念だった。

PK戦に入ったとき、正直GKの能力の差を考えると、ヂダを抱えるACミランが優位に思えたが、チーム全体の悪い雰囲気がそこまで波及していたのか、ミランのキッカーはヂダの力にはなれなかった。

シジマールを髣髴とさせるデュデクのPKには、シジマールのそれと同じようなインチキ臭さ(キッカーがボールに触れるまでゴールラインより前に動いてはいけないルールを無視して突進)が見てとれたが、審判からのお咎めはナシ。正直アンフェアな感じもしたが、ミランの選手も関係者も誰も抗議しなかったのだから問題はないのだろう。


さぁ、これで欧州代表としてトヨタカップに来るのはリバプールに決定したワケだが、日本勢は早々に姿を消してしまったので、関心が薄れないか心配だ。